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音の棲む場所より

音の棲む場所より

作曲家F氏の歌曲について

ガブリエル・フォーレの歌曲は
その昔「カンターレ・エ・ソナーレ(歌うかまたは弾くか)」という表記があったという時代へのあこがれからか(バッハなどに傾倒していたので)歌曲として、自国語(フランス語)にしばりつけられることなく、自分が他楽器のための編曲をしたりしていろんな楽器で演奏されるものが多いですね。
ここでは、ごく有名な2曲について、和訳を載せてみました。
なかでも、月の光などの詩人ヴェルレーヌとの出会いは、フォーレの音楽に多大な影響を与えたと思います。
フォーレさん・・・やはりロマンチスト?なのかな?

夢のあとに Op.7-1(Après un rêve, 1865年頃)

夢の中にあなたの美しい姿があった、
私の幸福の夢、燃え上がる幻影。
あなたの瞳はとても優しく、声は澄んで響いた、
あなたは輝いていた 暁に照らされた空のように;

あなたは私を呼び 私は地上を離れた
二人して光の彼方に逃れるために。
空は私たちのために天空の扉を開き、
見たこともない麗しさ 神からの微かな光が見えた;

あぁ、あぁ、 なんという悲しき目覚め、
私は呼ぶ、おぉ夜よ、あの人の幻影を私に返して、
もう一度、もう一度輝かせておくれ、
もう一度、おぉ謎に包まれた夜よ!


月の光 Op.46-2(Clair de lune, 1887年)

あなたの魂は とりわけの風景画
マスクとベルガマスクの 魅惑を振りまく
リュートを奏で そして踊り かくして
幻の仮装の下に ただよう悲しみ

悲哀の調べのうえに うたわれるすべて
恋の勝利や めぐまれた人生
そこには それらの幸せを確かめる気配もない
そして そのうたは月の光にとけあわされてゆく

悲しみと美しさの 静かな月あかりは
梢の鳥たちを夢みさせ
そして 噴水の頂きをすすり泣かせる
大理石の間に しなやかにほとばしる水しぶきの
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

月の光1番の歌詞のうち

Que vont charmant masques et bergamasques"
(現われたる艶やかな(マスク)仮面喜劇者たちと(ベルガマスク)ベルガモの踊り子たちは)

という部分の音と言葉のシンクロっぷりが大好きです。

大学時代にフォーレ歌曲初体験したのが、この曲でした。
(フランス音楽研究会ってとこにちょびっといたりして・・・)

エスプリ・・という言葉が似合う作曲家ですね。


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